昔の脳卒中片麻痺の人はどうしてたんだろう
いつも患者さんと話すことに決めている話題がある。
「○○さんのようなことになった人って昔もいらっしゃいましたよね」
「むかしの人はどうしてたんですか、手足が動かなくなった後」
である。昔とはここではその患者さんが子供のころをイメージしてもらっている。
するとだいたい以下のようにまとまる。
- まず、昔は50歳60歳で死んだんだ
- そしてもし、脳卒中になって生き残ったら、「蔵」とか、家の一番奥の「座敷」とかに寝かせた
- 簡単なおにぎりを孫であった私がその部屋にはこんだ
- 食べたかどうかは知らない
- 排泄はそのままだった
- そしてだんだん弱って亡くなるんだ
地域によっていろいろかもしれないが、これが70から80年くらい前になる。
こんな時代に医療に従事した先達は取り組みの困難さは想像を超えるものと思うが目標は明確だったと思う。そしてフリーアクセスとか、負担の少なさの保障が必要になったのだろう。
佐久総合病院・若月先生の見た在りし日の農村風景
そして今、医療というのは何を目指せばいいのだろうか。だれの、どんな、ニーズを、どのようにすくい上げるのだろうか。