774pt日記

私の半径5m その2

ボランティア渋滞

連休は東北道を上って下った。片道400キロの行程をおよそ4、5時間かけて走った。
連休の東北道というのは前半下りが渋滞し、後半は上りが渋滞する。特にこの時期は東北で開かれる様々なまつりが関東の車を引き連れる。

あの大震災から初めてのゴールデンウィーク。私は妻の実家の法事に向かうため東北道を上って下った。いつもの行程と違うのはあの大震災のせいだろう。
「ボランティアバス」「支援物資輸送中」「○○被災者支援の会」
様々な垂れ幕をつけたバスやワンボックスが反対車線を行き来する。私の地元は内陸で今はライフラインも復活し少しうつな気分とマンホールが盛り上がったまともに走れない県道とどっかに飛んでった瓦屋根がかろうじてあの日を思い起こさせる。
ラジオでは沿岸の国道や有料道路の渋滞を知らせている。対向車線を走っているあの垂れ幕付きの車たちはやっぱりそこへ向かうのだろうな。

何かすこしおかしな気分にもなる。確かに沿岸の皆さんは大変な状況だと思う。実際私もお世話になった方が津波に流されpersonfinderではあまり見たくない結果が知らされた。友達は家に帰れず地元の消防団で遺体捜索に当たったらしい。

自分が感じる違和感はなんなんだ。この連休に大挙して押し寄せる善意という波。確かにボランティアだから自分のできる範囲でできることをするのが基本で、仕事が休みの時に貴重な時間を使って困ってる人を助ける。シンプルだ。すばらしい。
でも違和感が離れない。あの渋滞を見てなぜか違和感がある。

テレビではサービスエリアで行われているボランティアセンターの話がでていた。そこではどの地域でどんなボランティアが必要か案内しているらしい。そこで初期の振り分けをしているようだった。センターの人が「宮城ではもうボランティア受付は終了しています」というと「えー」 「せっかく遠くからきたのに」

全国のいろんな善意はなんかすごい固まりになって押し寄せてきている。悪い事ではない。すばらしい。ボランティアをさばく行政の対応も問題とされているとtimelineは騒いでいる。実際そういうこともあるのだろう。
でも連休にみんなで固まって押し寄せてもみんなで高速のトイレで渋滞して沿岸へ向かう狭い道で渋滞して、手際の悪い行政に振り回されるんだ。

その気持ちはあと10年持ち続けておいて欲しい。少なくとも来年の連休までも同じ気持ちでいて欲しい。行動はすばらしい。でもこの状況はまだまだ続く。